• -考察- 五郎丸選手のルーティンが筋肉に与える影響 Vol.22


     

    ラクビー日本代表・五郎丸歩選手がキックの前に行う独特のルーティーンが話題になりました。

     

    忍者のようなポーズを真似された方も多いと思いますが、あのポーズ単体には意味がなく一連のルーティンを必ず行うことで、

    フリーキックの成功率を80%オーバーにすることに成功したと、ともに作った日本代表のメンタルコーチである荒木香織教授が記事の中でおっしゃっています。

    (リンク先)「五郎丸ポーズ何の意味もない」女性博士が語る開発秘話……「験担ぎではありません」

     

    皆さんもフリーキックやフリースロー、バッターボックスに入る時などなど

    競技スポーツをやったことがある方は、少なからずルーティンが存在していたと思います。

    この何かパフォーマンスの前に行うルーティンを『プレ・パフォーマンス・ルーティン』と心理学の分野では呼ぶらしいです。

    五郎丸選手のルーティンを見ていると、身体の筋肉バランスを整え身体を安定していくこともルーティンの中に含まれているのかなと考えるようになりました。

     

    以前のブログで『小指の大切さ』について書きました。(こちら『上半身のキーは小指にある』)

    五郎丸選手のルーティンにはこの『小指の意識』が徹底されています。

     

    『小指の意識』とは小指を包む筋膜は二の腕を通って肩甲骨に達し、肩甲骨の安定につながります。

    逆に『親指の意識』は力こぶを経由して胸の筋肉に達するため、親指を強く握ったりすると、

    肩甲骨が開いて、背中が丸くなり、首肩が力みやすくなってしまいます。

    この場面を見ると人差し指・親指はリラックスし、小指側に意識があることがわかります。肩甲骨から脇あたりの安定につながり肩がすくむ事はありません。

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    ボールの軌道を計るかのように右手を上下するこの場面も脇を開かず、『小指から動かす事を意識した軌道』をしています。

     

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    そしてあまり注目されませんが、蹴る瞬間に五郎丸選手の左腕は右足の対角線上にあげ、手のひらや指先まで開いています。

    こうすると肩甲骨や背中、お尻などに力が伝わりやすくなりキックに安定感が生まれます。

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    このようにメンタル的な重要度の高い『プレ・パフォーマンス・ルーティン』

    筋膜的な連続から構造を紐解くと、『体幹の安定性の向上』など、筋肉などにも良い影響があることを示すことができます。

     

     

     

     

     

     

     

     

    『森を見て、木を見る』

     

     

     

    Personal Face Trainer

    -木村祐介-